高血糖対策・糖尿病予防に『ウォーキング』

高血糖・糖尿病対策の運動療法の基本といえば、『ウォーキング』でしょう。 また、忙しくて歩く時間をまとめて摂ることが難しいという人は、 代わりに日常の作業をこまめに行うことで運動不足を解消することも一案です。



■10分以上で血糖消費、インスリンもよく効く

運動を始めてしばらくの間は、筋肉のグリコーゲンがエネルギーに使われますが、10分以上を過ぎると血糖が使われるようになります。 筋肉運動をすると、インスリンの効き目が高まるために、よりスムーズに血糖値が下げられるというメリットもあります。 そこで、特別な道具や手間はいらず、誰もが手軽にできる運動と言えばやはり『ウォーキング』。 日頃から歩く習慣を身につけることが、糖尿病の運動療法の王道と言っていいでしょう。 特に次のことを心がけて歩けば、効率的な高血糖の改善効果が期待できます。

▼1日15〜60分歩く
10分以上持続して運動すれば、血糖が消費され始めるので、1度に行うのではなく、20分×3回でも効果はあります。

▼食後1〜2時間以内に歩く
血糖値が一番高くなるのは食後1〜2時間。しかも、糖尿病の患者さんの場合、この食後血糖値がなかなか下がり切らない という傾向があります。そこで、血糖値が高くなる時間帯を見計らって、「血糖値の上がり際をたたく」ようなつもりで ウォーキングを開始するとよいでしょう。

▼週に3〜5回実践する
一般的に運動の効果が持続するのは、2〜3日から1週間。毎日ではなくとも、2日はあけずに意識的に歩くようにすれば、 ウォーキングのメリットが途切れることはありません。


■歩く時間の不足は家事など日常作業で補える

こうしてウォーキングを継続していると、足の筋肉がしっかりと付いてきます。血糖が盛んに消費される場所というのは すなわち筋肉ですから、それによって一層高血糖の解消が促されることになるわけです。 ただし、ウォーキングをするときは靴擦れなどの足先のトラブルに注意しましょう。 高血糖が慢性化すると、足先の末梢血管の血流が滞ってしまい、そのため小さな傷でも治りが長引いて、 化膿しやすくなるという傾向があります。最悪の場合、これが壊疽の引き金になることもあります。 そんな事態を防ぐためには、足によく合った靴で歩くことはもちろん、素足を靴に入れたりしないで、 必ず靴下を履くことが基本です。

忙しくて歩く時間をまとめて摂ることが難しいという人は、 代わりに日常の作業をこまめに行うことで運動不足を解消することも一案です。 例えば、平坦な道路を毎分60mくらいの普通のスピードで歩くのと、部屋の掃除や子供の世話といった日常の活動とでは、 消費するエネルギーはほとんど変わりません。 毎分100mくらいの早歩きの場合は、自転車に乗ったり、庭の草むしりや畑仕事などを行ったときとエネルギーの消費量は同等です。 つまり、普通に歩く程度の運動であれば、家の中でこまめに体を動かすことで同じレベルの運動効果が得られるわけです。 休日だからといってごろ寝をして過ごすのではなく、家事や日曜大工に積極的に取り組むことも、 糖尿病の運動療法の一環になるといえるでしょう。