高血糖・糖尿病対策の運動療法

高血糖対策糖尿病予防のコツは、 過食を防ぐことと、もう一つ大切なのが「運動不足の解消」です。 高血糖対策・糖尿病予防ための運動は、脂肪を減らし肥満を解消すること、 インスリンの働きをよくして血糖値を下げることを目的に行います。 特に酸素を使いながら行う「有酸素運動」は、血液中の糖の燃焼を促して消費を早めるのに最適な運動です。 また、筋肉に適度な刺激を与えて増強させる運動も効果的です。 筋肉が活性化すれば基礎代謝量が増え、食事で得た糖を効率よく消費することができるのです。
(*本文は下の方にあります)


運動不足の解消

食生活の改善と並んで高血糖対策・糖尿病予防の基本となるのが『運動』です。 高血糖症は血糖だけではなく、体重、血中脂質、血圧なども管理しなければなりませんが、 そのためには食事療法だけではなく、運動療法も併せて行う必要があります。 適度な筋肉運動は、エネルギー消費を増して肥満を解消し、 さらにインスリンの作用を高めて、血糖コントロールや脂質代謝の改善に役立ちます。 また、運動を毎日継続して行っていると、体内では脂肪を合成する酵素が抑えられ、 脂肪を分解するホルモンが増えるという変化も起こります。 体調のよさを実感できるようにもなるでしょう。


■有酸素運動でブドウ糖を消費する

1回10分の運動で糖尿病を予防!
ブドウ糖が消費されてインスリン抵抗性が改善!

糖尿病の改善を目指すためには、食生活の見直しと共に、運動を習慣づけることもまた大切。 運動をすると、エネルギーとして血中のブドウ糖が消費されるだけでなく、「インスリン抵抗性」が改善。 これは筋肉や脂肪の細胞がインスリンに対して敏感に反応し、ブドウ糖を盛んに取り込む状態になる、ということ。 逆に言うと、運動不足の人の細胞はインスリンに対する反応が鈍く、ふだんからブドウ糖をあまり消費しない状態になっている、 というわけです。

では、実際にどんな運動を行えばいいか。基本となる柱は、有酸素運動(ウォーキング、水泳、自転車こぎなど)、 筋肉トレーニング、 ストレッチ(関節障害を防ぐ柔軟運動)の三つ。 有酸素運動は酸素を体にたくさん取り込みながら、ブドウ糖を盛んに消費させる運動。 高血糖解消のためには、1週間に500kcalを消費する運動を行うようにします。 参考までに、200kcalを消費する運動は次の通り。

●速歩き・・・・・5kmを60分で歩く
●ランニング・・・・・4kmを20分で走る
●水泳(平泳ぎ)・・・・・800〜1000mを20〜30分で泳ぐ。水中歩行はこの倍。
●自転車こぎ・・・・・8〜9km

こうした運動で改善されたインスリンの効きやすさは、1日以上続くので、週に2〜3回のペースで行えば効果あり。 なお、有酸素運動だけでなく、ブドウ糖が消費される場所である筋肉の量を増やすトレーニングも大切です。 腹筋運動、軽いダンベルを使った運動も補助的に行って、筋肉量が落ちないように心掛けましょう。 運動の前後には、無用な事故を防ぐために、筋肉や腱の柔軟性を高めるストレッチも実行したいものです。

ところで、運動は20分以上続けないと効果がない、とよく言われます。 確かに、脂肪の燃焼についてはその通りですが、筋肉が働いてエネルギーが使われるのは事実。 つまり短時間の運動でもインスリンが働いて、ブドウ糖の消費は進むわけです。 1回10分の運動を1日2回行うやり方でも、大いに意味はあるでしょう。


■おススメの運動

ながら運動
「ながら運動」とは、日常生活の中で無意識に行っている動作に工夫を凝らし、 家事や仕事など日常動作を運動そのものに変えて運動量を増やし、糖尿病予防効果を高めようというものです。 ながら運動の特徴は、日常の動作を「少し素早く行う」「力をこめて行う」「大きく動かして行う」ことにあります。 こうした動作をすることで、順に、@有酸素運動の効果、A筋トレの効果、Bストレッチの効果 を同時に得ることができます。その結果、体のさまざまな筋肉に刺激が伝わり、基礎代謝量が高まるため、 血液中の糖が効率よく消費され、血糖値の上昇を抑えることが期待できるのです。

自転車漕ぎ
十分な運動効果を得るには、ウォーキングの場合は大またで腕を大きく振り、 ふつうに歩くときより2〜4割増しの速さで 歩く必要があります。 しかし、肥満の人や、膝痛・腰痛のある人がそうした運動強度を保ちながら歩くのは難しいことです。 そうした人に、おススメなのが「自転車漕ぎ運動」。自転車なら、膝や腰への衝撃が少ないため、 足腰の衰えた人でも、継続して安全に運動できることがわかってきました。
【関連サイト】
『サイクル運動機器』

▼ウォーキング
多くの医師が進める運動療法は、「ウォーキング」です。 ウォーキングを行うときのコツは、20分以上かつ早足で歩くことです。 ウォーキングは有酸素運動ですが、酸素が脂肪を燃焼させるのは、 運動を開始してから15分後くらいなので、それ以上続けないと効果は期待できません。 早足で歩いた場合とゆっくり歩いた場合とでは、消費カロリーが大きく異なるので、早足でカロリーの消費量を増やしましょう。
【関連サイト】
  『ウォーキング』

▼乗馬運動
第47回の糖尿病学会で、「他動的な運動機能を用いた運動が高齢糖尿病患者のインスリンの分泌量を改善させる」 との発表がなされました。多くの糖尿病患者は、ひざの痛み・高血圧・心肺機能不安等の疾病を抱えているため、 身体に負担のかかる運動は難しいのが現状です。しかし、座ってバランスをとるだけの「乗馬運動機器」は、 ひざへの負担が少なく無理のない運動を効率よく行うことが可能であるため「乗馬医療」として 世界中で注目されています。 乗馬運動機器は、自分で体を動かすのではなく、無意識に体が動くため、 体力や年齢に関係なく、 誰にでもできる運動機器です。
【関連サイト】
『乗馬運動機器』

▼ボート漕ぎ(ローイングエクササイズ)
ローイングマシン(ボート漕ぎ運動機器)は、 有酸素運動と筋力トレーニングが同時に行える運動機器です。 全身を使うローイング(ボート漕ぎ)運動は、円滑な呼吸によって取り込まれた酸素が、 体内の炭水化物や脂肪を「体を動かすエネルギー」に変えるため、脂肪がどんどんエネルギーに変わり、 メタボリックシンドローム対策のエクササイズやダイエットに効果的です。 一方、ローイングマシンの負荷を重くすることで、筋肉量を増加させる筋トレ運動の効果が得られ、 筋肉量を増やして基礎代謝を高め、肉体の消費カロリーをアップさせます。 さらに、ローイングマシンによるエクササイズを継続することで心肺機能も高められます。
【関連サイト】
『ボート漕ぎ(ローイングエクササイズ)』

▼筋力トレーニング
筋肉の量を増やすと、筋肉がブドウ糖を取り込み、血糖値を安定させて下げることができます。 そこで、できるだけ有酸素運動にプラスして「筋力トレーニング」を行うことをおすすめします。 太らない体質を作るためにも筋肉が必要なのです。
【関連サイト】
『筋力トレーニング』